こちらは、産業用エンジンメンテナンス.comを運営する中田エンジンが実施した
観覧車用の非常用油圧ポンプ原動機の点検整備の事例となります。
パッケージ型油圧ポンプ原動機(エンジン:いすゞ、4BD1BA)で、
東京都内の某遊園地の管理会社様より、当ホームページにメンテナンスのお問い合わせをいただき調査と整備に伺いました。
これまでメンテナンスなどされていないということで、
まずは現状の調査と、最低限の整備として
・潤滑油エレメント、燃料油エレメント
・潤滑油、冷却水
・Vベルト
の交換を提案し、作業を実施しました。
潤滑油、冷却水ともに劣化がひどく、本来緑色の冷却水が茶色く濁っているほどでした。
軽くフラッシングをしてから新しいオイルと冷却水を補充しましたが、
内部にまだ汚れが詰まっていると思われるため本格的な洗浄が必要です。
↓抜出した冷却水の様子。
冷却水は水だけでなく凍結や錆を防ぐクーラントが含まれており、
経年により効果が薄れていくため2年毎の交換が推奨されています。
また、冷却水の流路に汚れが溜まって詰まればオーバーヒートの危険性もあります。
バッテリーは数年前に交換済みということでしたが、充電方法が適切でなかったためか
劣化が早く、バッテリー液の減少がみられました。
適量まで補充し、適切な充電方法について提案を行いました。
その他、各部品の劣化具合、使用年数から
・再度潤滑油エレメント、燃料油エレメント、潤滑油、冷却水の交換
・燃料タンク内の燃料油の交換
・バルブクリアランス調整、燃料噴射圧調整
・燃料フィードポンプ交換
・冷却水ホース、サーモ弁交換、ラジエーター洗浄
・エアクリーナ交換
・スタータ、オルタネータ、バッテリー交換
を提案させていただきました。