こちらは、産業用エンジンメンテナンス.comを運営する中田エンジンが実施した
非常用発電機の疑似負荷運転試験の事例となります。
ヤンマーのパッケージ型非常用発電機
(パッケージ型式:AP115B、エンジン型式:6B105T-GL)で、
5年間の長期メンテナンス契約を締結していただいた案件です。
以前にご紹介しました通り、(https://industrial-engine-maintenance.com/overhaul/1138/)
疑似負荷運転試験(定格の30%負荷)を実施させて頂きました。
負荷運転は、消防法における運転性能に係る点検方法の一つとして、
毎年予防的保全整備を行っていれば、6年ごとに実施することが義務付けられています。
一般的には負荷試験という名称で呼ばれていますが、
消防法においては負荷運転が正式な点検名称です。
↳消防法とは?(https://industrial-engine-maintenance.com/lp/)
まずは、前回の点検時に不具合が確認された燃料噴射ノズルの整備から行います。
取外し→整備・テストを実施し、エンジンに組み込みます。
その後、負荷運転に向けて非常用発電機の全体を点検し問題の無いことを確認しました。
今回は燃料噴射ノズルを脱着している為、無負荷にて運転を実施し、問題の無いことを確認しました。
これから疑似負荷運転に参ります。
今回も軽量で機動性に優れた負荷装置を使用しました。
事故を防ぐために、検電器等で確認しながら安全に作業を実施します。
配線完了後、いよいよ運転を実施していきます。
無負荷にて運転後、負荷を10%→20%→30%と、段階的にかけていきます。
また、無負荷から30%負荷時までの運転データ・振動・騒音の計測や排気色の確認を行います。
もちろんエンジン・発電機の状態も確認し、オイル漏れなどの異常が無いかも確認します。
データ採取後、負荷を徐々に下げ、冷却運転をして停止しました。
装置に異常の無いことを確認し、配線の復旧をして、完工となりました。
また、消費した燃料も補給してあり、始動準備は万端です。
無負荷運転だけでは分からない、また症状が出ない異常もあります。
有事の際に発電機が起動し、安定して電気を供給できるかどうかの
欠かすことの出来ない、大切な点検のご紹介でした。