こちらは、産業用エンジンメンテナンス.comを運営する中田エンジンが実施した
非常用発電機の点検整備の事例となります。
三菱の非常用発電機(エンジン型式:S6B3-PTA)で、
1年ごとの点検をご依頼いただきました。
チェックリストによる点検を進めましたが、今回は煙突の詰まりについて紹介させていただきます。
非常用発電機の煙突からの排気は屋外に排出されていますが、長期間動かしていない場合に鳥が煙突内に巣を作り、排気管の出口を塞いでしまうことがあります。
今回は1年間の停止というインターバルでも、このような現象が発見されました。
この物件では対策として防鳥網が取り付けられていたようでしたが、痛んで破れており機能していませんでした。
鳥の巣によって排気の出口が塞がれてしまった場合、
排気の排圧が上昇し始動不能や回転数があがらないといった不具合が発生します 。
今回は始動前に可能な限り掻き出し除去し、排気の抵抗をなくしました。
本機はA重油使用のため、試運転時は始動後しばらく黒煙が発生しましたが、
内部に溜まった残留物を出し切ると透明になり正常に運転できました。
発電機本体とは離れた外部にあり、点検時に見落としがちな煙突部ですが
非常用発電機の重要なメンテナンス項目の一つであると感じる事例でした。
始動不良についてより詳しく知りたい方はこちら>>エンジンメンテ基礎知識:FTA(始動不良)
(https://industrial-engine-maintenance.com/knowledge/744/)