産業用エンジンメンテナンス.comの エンジンメンテナンス よくあるご質問
- 排ガス規制って何ですか?
端的に表現すれば、エンジンから排出される有害物質の量を規制する総称です。
大気汚染や健康被害の減少を目的として、日本国内では1963年から始まりました。
排ガス規制にも種類があり、
『燃料種別』『出力』『機械用途』『機械種別』『生産台数』
といった様々な条件で細分化されています。
ここでは≪ ディーゼルエンジン ≫に絞った排ガス規制の概要を説明します。
ディーゼルエンジンの排出ガスで特に問題視される物質は次の2種類です。
PM ・・・ 粒子状物質
NOx ・・・ 窒素酸化物
その他にもCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)といった有害物質も存在しますが、
上記2種を減少させることが、昨今のメインテーマとなっているようです。
①定置用
代表例 :工場既設発電機・空気圧縮機
規制物質:NOx
※ 大気汚染防止法によって定められ、煤塵を除くNOx量によって規制されます。
※小規模定置用は、条件が異なります。
②鉄道
代表例 :気動車・ディーゼル機関車
規制物質:なし
※有害物質規制のための法令は2014年時点では制定されていないものの、自主的な環境対策が
導入されています。
③船舶
代表例 :漁船・レジャーボート
規制物質:SOx・NOx
※国際海事機関の規制基準に準拠します。
④陸用(自動車・トラック除く)
代表例 :バックホー・ホイールローダー・フォークリフト・ラフタークレーン
規制物質:PM・NOx
※公道走行有無によって左右されますが、オフロード法および道路運送車両法で定められます。
※産業用ディーゼルエンジンの中で最も排ガス規制に厳しく、オフロード法2011年規制でPMの
従来比90%削減、2014年規制でNOxの90%削減が目標設定されました。
※日本国内の有害物質削減基準は、米国環境保護庁基準(Tier)ならびにEU圏内統一排出ガス規制(ユーロ)
といった国際基準と比較しても厳しい傾向にあるようです。(同等排ガスレベルの場合)
オフロード法2014年規制の基準をもって一部専門家より、
『空気よりキレイな排出ガス』
と言われるほどとなったディーゼルエンジンの排出ガスですが、
今後の時代変化や環境変化によっては、更なる清浄化を求められることとなるかもしれません。