エンジンメンテナンスにおける基礎知識

こちらは産業用エンジンメンテナンス.comが紹介する、

≪エンジンの動弁系構造に関する基礎知識です。

 

動弁系構造とは、

※1

エンジン内部への空気や混合気の吸入、燃焼ガスの排出、

また、それらを適切なタイミングで動作させる機構の総称として表現されます。

この動弁系に用いられる主要部品は、次の通りです。

・吸気バルブ

・排気バルブ

・カムシャフト

ここで上記部品の作動構造が、エンジンによって2種類に大別されることとなります。

それが、

Over Head Valeの略称であるOHV構造 と  Over Head Camshaftの略称であるOHC構造 

です。

 

【OHV】 

※2

シリンダーブロック内に位置するカムシャフトの動きを、

タペット・プッシュロッド・ロッカーアームを介し、

シリンダーヘッド上部に配置されたバルブに追従させ、バルブ開閉を行う

 

メリット ・・・製造期間が長く、耐久性および信頼性に優れる

デメリット・・・高回転域でのバルブ追従性に難有り

 

【OHC】

※3

【※上記動画はDOHC】

バルブ配置は変更せずにカムシャフトをシリンダーヘッド側に移動させ、

プッシュロッドを介さずに、ロッカーアームを押下してバルブ開閉を行う

また、

カムシャフトが1ヶのOHC構造はSOHC(Single Over Head Camshaft)

※4

カムシャフトが2ヶのOHC構造はDOHC(Double Over Head Camshaft)

※5

と表現されます。

 

メリット ・・・バルブ開閉の管理が比較的容易 / 高回転・高出力

デメリット・・・構造が複雑化する可能性有り

 

日本国内ではOHVの普及が早かったものの、

今日においては乗用車向けガソリンエンジンの大半でOHC構造が採用されています。

また、昨今の排出ガス規制の強化の影響もあってか、

トラックメーカーが製造するディーゼルエンジンにおいても、

OHC構造の採用が進んでいる状況です。

とは言え、産業用向けディーゼルエンジンでは、

依然としてOHV構造を採用するメーカーも多く、

低回転域でのトルクが重要視される環境下においては、

まだまだOHVが重宝されることもあるようです。

 

 

※1:参照元:Stahlkocher - 投稿者自身による作品(Uploaded to commons by: Milkmandan), CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=227760による

※2:参照元:IJB TA at the English Wikipedia, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2055790による

※3:参照元:UtzOnBike (3D-model & animation: Autodesk Inventor) - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=294641による

※4:Afrank99 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=65263による

※5:IJB TA から en.wikipedia.org, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2055809による

 

 

 

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