エンジンメンテナンスにおける基礎知識
こちらは産業用エンジンメンテナンス.comが紹介する、
排出ガスの後処理装置に関する基礎知識です。
近年、≪クリーンディーゼル≫という言葉を耳にする機会がありませんか?
みなさまが運転する自家用車でもこの
≪クリーンディーゼルエンジン≫
を搭載した車種が昨今増加傾向です。
特に力を入れているところでは、M社あたりでしょうか。
ひと昔前は。。。
『環境に悪い』といったイメージを持つディーゼルエンジンでしたが、
排ガス規制の制定や技術開発の末、今では排出ガスに含まれる有害物質も、
大幅に削減され優れた環境性能を有するまでに至りました。
その技術の中心的な役割を担うのが。。。
【 DPF 】
といわれる排出ガス後処理装置です。
DPFとは、Diesel Particulate Filter の略称で、
日本語に直訳すると ディーゼル微粒子捕集フィルターとなります。
DPFを用いることで排出ガスに含まれるPM(Particulate Matter )といわれる
微粒子物質(スス)を大幅に削減することを実現しました。
実はこの技術、
自動車業界のみならず産業用機械の分野にも続々と採用されているんです。
産業用機械の一部では、
『 オフロード法2011年の制定 』
によって排ガス規制が強化され、
PM排出量が従来比90%の削減が求められることとなりました。
その結果、大多数の製造メーカーではPM排出量の削減のために【 DPF 】が採用され、
今日まで至っています。
詳細に説明すれば!
もう一つの有害物質であるNOxとの関係性もあるのですが、そちらの話はまた後日、、、
ちなみにこの装置。。。
メーカーによって名称も異なり、
DPF ・・・ Diesel Particulate Filter (ディーゼル微粒子捕集フィルター)
DPR ・・・ Diesel Particulate Active Reduction System (ディーゼル微粒子浄化装置)
DPD ・・・ Diesel Particulate Defuser (ディーゼル微粒子除去装置)
若干の性能差も存在します。
ここまで有益性を説明してきた【DPF】ですが、
デメリットにも触れておきます。
実務面で最も問題となるのは、
≪フィルターの目詰まり≫
でしょうか。
特にアイドル状態での待機時間が長い機械では、
目詰まりの発生頻度も多くなる傾向です。
『機械をいざ使用しようとしたところ、DPFランプが点灯した』
なんてよくお聞きする事例です。
一般的に強制燃焼再生が可能であるDPFであれば、
30分から1時間のタイムロスが発生します。
この現象を避けるためには、連続負荷運転の実施が理想的なのでしょうが、
現実は作業環境に左右されることもあり非常にもどかしい問題です。
最後に重要なポイントとして
クリーンディーゼルの≪オイル規格≫に付いて説明します。
高性能な後処理装置は、所定のオイルグレードを基に設計開発されています。
国内基準であれば、≪DH2≫や≪DL1≫、API規格では≪CK4≫等です。
オイルがグレートダウンすることで、排出ガスに含まれる≪灰≫や≪リン成分≫が、
増加することにつながります。
これらの成分は後処理装置に悪影響しか及ぼさず、
目詰まり頻度の増加や延いては後処理装置の故障にいたるケースも可能性も危惧されます。
結論としては難しいことは考えずに、
≪!メーカー指定オイルの使用を厳守!≫
して下さい。