エンジンメンテナンスにおける基礎知識
こちらは産業用エンジンメンテナンス.comが紹介する、
マリンエンジンの冷却装置に関する基礎知識です。
空冷?水冷?
小形機関の一部には空冷式も存在しますが、多くは水冷方式が採用されているようです。
海水?清水?
古くは海水でエンジンを直接冷却(海水冷却)する構造が主でしたが、
近年は海水間接冷却方式(清水冷却)で、
エンジンを海水に接触させず冷却する方式が主流となっています。
清水には防錆や、凍結防止のためロングライフクーラント(LLC)の使用が推奨されています。
清水(クーラント)と海水で熱交換し、エンジンの熱を海水に間接的に放熱する構造です。
清水のながれは。。。
清水タンクに貯えた清水を循環してエンジンを冷却し、
熱くなった清水はヒートエクスチェンジャー(熱交換器)を通じて、
海水により冷却されています。
海水の流れは。。。
海水は海水ポンプでキングストンコックより吸い込み、
海水コシキ ~ 海水ポンプ ~ 清水冷却器
~ 潤滑油冷却器(オイルクーラー) ~ 空気冷却器(インタークーラー)
※インタークーラーには清水で冷却しているものもあります。
という流れで船外へ排出されています。
温度管理も!
清水の温度はサーモスタットによって、
ヒートエクスチェンジャーを流れる清水の量を調整しています。
清水の水温は、常時85℃前後に保っている場合が多いです。
熱交換の周辺装置としては。。。
・海水取入れ口(キングストンコック)
・海水コシキ
・冷却水ポンプ(海水ポンプと、清水ポンプが有ります。)
・熱交換器(ヒートエクスチェンジャー)
・清水タンク
・サーモスタット
・水量加減弁
等により構成されています。
熱交換器を分解してみると。。。
ヒートエクスチェンジャーやオイルクーラーにスラッジによる詰りが発生しています。
冷却効率が落ち、オーバーヒートの要因となりますので、定期的な清掃作業の実施が必要です。
同様に、
キングストンコック、海水コシキ、海水ポンプ
にも異物の混入による詰りが発生しますので、
こちらも定期的な清掃作業の実施が必要です。
以上マリンエンジンの冷却方式でした。