エンジンメンテナンスにおける基礎知識

【 ガバナ 】とは、燃料噴射量の制御装置です。

ガバナとは、エンジンにかかる負荷が変化した際に、エンジンの回転速度を検出し、

要求通りの設定速度になるように自動的に燃料ポンプの燃料噴射量を調節して、

エンジンの回転速度を一定に保つ機能を持つ装置です。

こちらの記事では、ガバナの種類についてお伝えいたします。

ガバナスイッチの役割について知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

>>ガバナスイッチの役割と調整

 

 ガバナの種類
 ガバナには一般に次のものが多く使用されています。
 
(1)機械式ガバナ
 
(2)機械油圧式ガバナ
 
(3)空気制御式油圧ガバナ
 
(4)電子式ガバナ
 
 小形ディーゼルエンジンは大部分が機械式ガバナ、
 中形ディーゼルエンジンには機械油圧式ガバナを採用しており、
 大形および超大形ディーゼルエンジンには空気制御式油圧ガバナが採用されているが、
 最近では特に超大形では電子式ガバナが採用されることが多く採用されています。
 
ここでは、機械式ガバナと、機械式油圧ガバナについてお話させて頂きます。
 
 
1)機械式ガバナ
 
 重錘が回転する時に生ずる遠心力とバネ力の釣合いによって燃料の噴射量を調整し、
 回転速度を一定に保持する働きを持たせたオールスピード(低速から高速域まで作用する)タイプのガバナです。
 
(1)単筒形燃料ポンプ用機械式ガバナ
 図1に示すように、
 エンジンの回転速度を決める調速ハンドル、
 エンジンの回転と連動して回転しているガバナウエイト部分、
 燃料ポンプの噴射量調整桿との連結リンクおよびスプリング等より構成されています。
 
 
 図1 機械式ガバナ
(拡大画面:41KB)
 
 

(2)燃料ポンプ付調速機(R.S.V.ガバナ)
 集合形燃料噴射ポンプの場合は、図2に示すようにポンプの端に付属して、
 ポンプと一体で調速機を設けている。
 原理的には機械式ガバナと同じであるが、燃料噴射量の制限装置、
 始動時の燃料増量装置およびエンジンのトルク特性を改善するためのトルクスプリング等が
 コンパクトに組込まれています。
 
 図2 燃料ポンプ付調速機
(拡大画面:57KB)
 
 
3)機械油圧式ガバナ
 
 舶用ディーゼル機関に用いられている油圧式ガバナは、
 ウッドワード社が生産しているウッドワードガバナ(SG形、PSG形)と、
 ゼクセル社が生産しているゼクセルガバナ(RHD6形)が用いられています。
 
 例として、ウッドワード社製について説明します。
 SG形はシンプルガバナでPSG形は緩衝式補正装置により恒速運転ができ、
 ドループ機構を設けています。
 作動油のトルク容量は全作動範囲36度に亘り、12又は24ポンドインチの2種があり、
 これらは内蔵安全弁のバネを除けば全く同じです。
 両者とも出力取出軸には燃料減方向へ引戻すための戻しバネを必要とし、
 前者は20ポンドインチ、後者は40ポンドインチ程度のトルクを出力軸に設けなければならない。
 殆んどの場合、作動油はシステム油を用いガバナ入口で最低0.05MPa(0.5kgf/cm2)の圧力が必要でフィルタメッシュは40ミクロン、容量は8l/min以上を必要とします。
 
 これらのガバナは図3に示すように直立又は水平で機関へ取付けられ駆動軸は、
 スプライン又は歯車によりカム軸などから駆動され、
 出力軸はガバナの片側からでも両側からでも取出せる。
 また速度調整軸をアイドルスピード位置より更に廻すことで機関は停止します。
 図3 ウッドワードガバナ構造図
(拡大画面:42KB)

 

こちらの記事では、ガバナの種類についてお伝えいたしました。

ガバナスイッチの役割について知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

>>ガバナスイッチの役割と調整

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