エンジンメンテナンスにおける基礎知識
今回はガバナスイッチのお話ですが、その前にガバナとは?
【 ガバナ 】とは、燃料噴射量の制御装置です。
>>ガバナの種類について詳しくはこちら
どのような制御?
エンジンにかかる負荷の変動に対して、回転速度を
『 一定に保持する 』 もしくは 『 滑らかに変化させる 』ために、
燃料ポンプの燃料噴射量を調節する装置のことを【 ガバナ 】と言います。
では、ガバナスイッチとは?
ガバナが原動機の速度を制御しているのに対して、
ガバナスイッチは、制御を保護・バックアップする役割となります。
ガバナスイッチの役割は?
① 「回転検出装置」から機械的または電気的信号による回転信号を受け
② 始動時の着火速度到達の信号を制御回路へ送り
③ 回転数異常上昇(過回転・過速度)の際には、エンジン停止信号を制御回路へ送る
という働きをします。
具体的には。。。
◎着火速度検出(通常400~450 min-1)
始動時の着火速度を検出し制御回路へその信号を送信することにより、
制御回路にてスタータモータ(セルモータ)の制御、各種保護装置の開始の制御を行います。
◎過速度検出(定格速度×1.15 min-1)
回転数異常上昇の検出をします。
何らかの原因により定格の回転数を超過した場合、制御回路に信号を送ります。
諸処の保護条件に合致した場合には遮断機を開放し原動機を停止します。
回転数異常の不具合は。。。!!
重故障を誘発する可能性を含み、最悪の場合には人的被害を引き起こす可能性もあるため、
過速度検出は重要な役割と言えます。
点検は必要?
ガバナスイッチは、使用時間や期間、運転時の振動等により、
設定値が変位してしまう場合があります。
その為、メーカにより点検の周期が定められています。
専用の点検器具により緻密な調整が必要となり、合わせて回転検出装置
(タコジェネレータ・電磁ピックアップのパルス信号等)の点検を行います。
当社では、お客様に安全に、永く既存の装置を使用して頂く為に、
ガバナスイッチ点検器具を保有し、点検時に確認・調整が可能です。
【参考事例】
◎タコジェネレータ式点検器具
◎ピックアップ式点検器具