産業用エンジンメンテナンス.comの溶射事例 詳細
CASE: 粉砕機のステーター及びスクリーンへの超硬溶射
- 目的部品の長寿命化
- 業界粉砕を伴う製造業・リサイクル業
- 対象粉砕機
- 溶射材料超硬(サーメット)溶射
粉砕機は粉砕する対象物、粉砕量、粉砕粗さで粉砕機のタイプや機種を選定しますが、粉砕機メーカーも全てを網羅している訳ではありません。
今回のお客様では焼き物やセラミックスのような硬い物を微粉砕するといった条件になります。
硬いものを粉砕するには磨り潰す方法があり、細かくするには回転を上げる必要が有ります。
粉砕機は回転式ハンマーミル型で、ハンマーには超硬がロウ付けされていたのですが、ステーター(外壁)は洗濯板のような形のSUSの鋳造品が使用されていて、もう少し細かくしようと回転を上げると、たちまち摩耗が加速し気付くと穴が開いてしまう場合もあるとのこと、メーカーの規格からするとオーバーワークな状況でした。
粉砕機の交換も出来ない状況では、各部品を摩耗に強くする必要があります。
そこで各部品を超硬溶射しました。
主な部品は4点
ステーター 2個
スクリーン 1個
スクリーン押え枠 1個
それぞれに0.5㎜厚みになるよう超硬溶射をしました。
何れも内径側への溶射になりますので膜厚が均等になるように溶射ロボットのプログラムには苦労しました。
使用してもらった結果は
寿命は延びて作業は進めれたが、長時間稼働させると局所的に摩耗が進行し、素材が露出するとたちまちに穴が開いてしまうとのことでした。
硬質物を微粉砕するといった条件では、摩耗させないことは不可能なので、当面は費用対効果で判断し長持ちする消耗部品として採用して頂いております。