エンジンメンテナンスにおける基礎知識

今回は非常用発電機の擬似負荷運転試験の注意点についてお話しします。

ニシハツ社製のパッケージ型発電機(パッケージ型式:PX95ESR(BB)、エンジン型式:6BG1T)
(https://industrial-engine-maintenance.com/overhaul/1512/)
の事例として説明いたします。

負荷試験では設備の状況により、実負荷をかけるのが難しいことがあるため、擬似負荷装置が使用されることが多いです。

擬似負荷装置を取り付ける際、最も注意すべきことは、感電・短絡事故を起こさないことです。誤った取り扱いをした場合、機器の故障や、死亡事故に至る危険性もあります。

今回は低圧非常用発電機(220V)のため、交流出力遮断機(52G)の二次側端子U,V,Wを取り外し、擬似負荷装置へのケーブルU,V,Wを取り付けました。

このような電気配線の作業の基本は以下のとおりです。

 ①事前に対象装置の電気系統図、制御回路図を確認し、
  現場と見比べて帯電部、活線部、各スイッチの位置などを確認しておく。

 ②非常用発電機を自動→手動にし、制御電源等のすべての電源(NFB)をOFFとする。
  切替えたスイッチ類や、OFFにした遮断器には操作禁止テープなどで表示または施錠する。
  作業において、帯電部や活線部がある場合は、絶縁防護シートを取り付ける。

 ③取り外すケーブル端子においてトリプルチェックを行う。

  1)検電棒で検電し無電圧を確認

  2)テスターで計測し電圧0Vを確認

  3)放電棒で電線やコイルの残留電荷を放電

 ④トリプルチェック後、スパナを端子に当て配線の取り外し、取り付け作業を行う。    
  外した端子は短絡しないようチューブやテープで保護する。
  ※高圧、特別高圧の作業の場合は、誤通電、他の充電回路との混触、誘導電圧などにより
   事故が発生しないように、三相の各相に短絡接地器具を取り付ける。

負荷試験終了後の配線の復旧も、同様の手順で検電、計測、放電を行います。

擬似負荷装置の接続に限らず、電気作業ではこの手順を確実に実施することで感電・短絡事故を未然に防ぎ、安全に作業を進めることができます。

※低圧非常用発電機の場合は、低圧電気取扱者資格、
 高圧非常用発電機の場合は、高圧・特別高圧電気取扱者の資格が必要です。

 

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