産業用エンジンメンテナンス.comの溶射事例 詳細
CASE: 逆止リングへの低摩擦溶射による長寿命化
- 目的部品の長寿命化
- 業界プラスチックス製品生産業
- 対象樹脂射出成型機の逆シリング
- 溶射材料超硬(サーメット)溶射
最近の樹脂には金属やセラミックスが配合されており、射出成型機の部品の摩耗やかじりによる短寿命や機械トラブルが増えております。
逆止リングと呼ばれる部品に対し、低摩擦被膜の溶射でかじり防止と長寿命化を目的とした案件です。
逆止リングとは射出成型機に組み込まれていて、溶融樹脂の逆流防止とスクリュウーの先端保持などを担い、射出圧力の維持と製品精度を保つ部品です。
射出成型時には円筒部に高温と高い面圧がかかり、過酷な摩擦状態になってしまいます。
本件では高温での硬度低下を防ぎ、シリンダーを摩耗させない摩擦係数が少ない摺動環境にする必要がありました。
そこで、プラスチックス金型でも実績のある独自の特殊サーメットを提案しテストの後に本採用となり
低摩擦を特徴とする特殊サーメットの溶射を施した逆止リングは、シリンダーとのかじりが減少し、異物混入抑制と長寿命化の両立に成功しました。
長所:数倍の寿命になった。(当初は修理として行っていたが、新作から溶射をする方がメリットが有る。)
異物混入が減り不良率が改善された。
短所:新品部品以上の価格で初期コストが掛かる。
摩耗やかじりの無い樹脂には不要。