産業用エンジンメンテナンス.comの溶射事例 詳細
CASE: ロータリーシールスリブへの超硬溶射
- 目的部品の長寿命化
- 業界製造業
- 対象ロータリーシールスリブ
- 溶射材料超硬(サーメット)溶射
ロータリーシールスリブはタイヤ等ゴム製品の成型時に各工程ごとにでエアーや水、オイルで機器を操作する重要な部品です。
この軸を中心に作業テーブルまたは機器が旋回しながら、多数の空けられた穴より水やエアー、オイルなど供給し機器を操作できるのが特徴で、その交換時には多くの時間が掛かり製造を止めなければなりません。
その為、漏れると非常に不味いので、高硬度になる焼入れたSUJ材に硬質クロムめっきした上、各穴間を強固にシールしています。
補修前写真
それでも、摩耗しないことは無く数か月で漏れが発生します。
そこで数倍に長持ちさせれると交換工事の頻度が減り生産性を上げれると思い、廃棄品を頂いて超硬溶射で長寿命させたものへと再生させることにしました。
今回は水に強いWC/10Co/4Crの超硬を選定しました。
硬質クロムめっきに対し、耐摩耗性は5~7倍(スガ摩耗試験結果の表を参照)、膜厚は3~5倍なので15倍以上の長寿命化が期待されます。
硬質クロムめっきを研削で削り落として、ブラストし超硬溶射、鏡面研削盤にて仕上げで納品。
数セット実施しピタリと依頼が無くなりました。
あれから8年以上経過しますがリピートが来ません。
競合相手との絡みもあるようで顧客からの詳しい状況は聞けておりませんが、不具合が出たとの報告も有りません。
もしかすると長持ちし過ぎてしまっているかも知れません。