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金属溶射について

金属溶射とは

金属溶射は、各種金属や合金を被膜として基材にコーティングする技術です。この方法により、基材の表面に特定の機能を付加し、耐久性や性能を向上させることが可能です。新規製品の製造では、高価な素材を基材全体に使用する必要がなく、必要な箇所に必要な特性を持つ金属を効率的に成膜できます。一方、修理では、基材へのダメージを最小限に抑えつつ寸法復元が可能で、部品の再利用と長寿命化を実現します。

 

金属溶射材の特性と用途

金属溶射に使用される材料は多岐にわたり、それぞれが異なる特性を持っています。このため、用途に応じて適切な材料を選定することで、表面特性をカスタマイズできます。

 

・鉄・低炭素鋼:磁性に反応しやすく、IH(誘導加熱)用途に適応。機械加工の修正や救済に有効。
・ステンレス鋼:防錆・耐腐食性能が高く、腐食環境での使用に最適。
・モリブデン:低摩擦性を持ち、高融点で耐熱性に優れる。
・アルミニウム:軽量で柔らかく、優れた熱伝導性を発揮。
・亜鉛・スズおよびその合金:犠牲防食材として使用され、基材の腐食を防止。
・銅および銅合金:高い熱伝導性と電気伝導性を提供。
・コバルト合金系:耐熱性や高温での硬度が求められる環境に対応。
・ニッケル合金系:高硬度と耐腐食性を兼ね備えた材料。
これらの特性を目的に応じて基材に付与することで、製品の性能と耐久性を大幅に向上させることが可能です。

 

溶射プロセスと使用設備

当社では、金属溶射のプロセスにおいてアーク溶射機とガスフレーム溶射機を使用し、用途や目的に応じて使い分けています。

・アーク溶射機:
約5000℃という高温を生成し、厚盛りや粗面化を目的とした施工に適しています。特に耐摩耗性や寸法復元が求められる場合に優れた効果を発揮します。

・ガスフレーム溶射機:
約3000℃程度の温度で作業を行い、合金系材料の寸法復元や特定の特性付加を目的とする場合に使用されます。

 

基材の材質、形状、使用環境に応じて、溶射材には線材や粉末を選定し、最適なコーティングプロセスを提案しています。

 

金属溶射は、耐摩耗、耐熱、耐腐食、滑り性、犠牲防食など、多様なニーズに応える加工技術です。高機能な表面処理を通じて、製品の性能向上と長寿命化を実現し、さまざまな産業分野で重要な役割を果たしています。

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