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CASE: EGRクーラーコアの損傷(パンク)
- トラブル内容排気色が白い
- 業界建設機械・鉱山機械
- 使用業界建設機械
- エンジン出力180kW
-
EGRクーラーコアからの冷却水漏れ
-
EGRバルブ内への冷却水流入
こちらは産業用エンジンメンテナンス.comが対応した【EGRクーラーコア】の不具合事例です。
EGRとは、
Exhaust Gas Recirculation
の略称で排気ガスを吸気ラインに再循環させる装置です。
また、EGRでは、排気ガスの冷却を併用するケースが大半を占め、
LLCを用いた熱交換方式を採用することが昨今の主流となっています。
この熱交換の役割を果たすのが、【EGRクーラーコア】です。
≪不具合内容・経緯≫
エンジン排気から突如大量の白煙を吐出。
EGRクーラーコアの周囲に冷却水の外部漏れが認められたため、
配管類を取り外したところ、次の症状が確認されました。
・EGRバルブへの冷却水流入
・ターボチャージャーおよびDPF (サイレンサー)への冷却水流入
・エンジンオイル内に冷却水混入
≪不具合原因≫
EGRクーラーコアの構造は、上述の役割を果たすため、
排気ガスと冷却水が隣り合わせとなっています。
このクーラーコアが損傷(パンク)することで、
冷却水が排気ラインに流入することとなります。
今回のケースでは、ターボチャージャーやDPFといった排気側部品に留まらず、
EGRバルブ側にも冷却水がまわっている状態でした。
EGRバルブの先は吸気ラインとなるため、燃焼室内に冷却水が混入した結果、
白煙の吐出につながったものと判断しました。
エンジンオイル内に冷却水が混入していたのは、ピストン上部に滞留した冷却水が、
機械停止時にシリンダー内から徐々に落ちていったためと推測されます。
(軽微な損傷であれば、反対に冷却水ラインに排気ガスが流入し、
吹き返しの発生につながります。)
≪整備方針≫
この様なケースで最も懸念されることは、【ウォーターハンマー】の発生です。
ピストン上部に溜まった冷却水が燃焼時の圧縮抵抗となり、
コンロッドやクランクシャフトの曲損といった
エンジン重故障につながる可能性があります。
本来であれば、インジェクターやグロープラグを取り外し、
セルモーターを回すことで確実な排水を実施することが望ましいのですが、
予算面の制約があったこと、
不具合発生以降にエンジンを運転されていたことを考慮して、
お客様のご要望のもと以下部品交換のみ実施することとなりました。
・EGRクーラーコア
・EGRバルブ
その後の試運転では、しばらく白煙吐出していたものの、
時間経過に伴い白煙症状が改善し、出力低下といった目立った不具合もなく、
無事復旧にいたりました。
本件では、幸いにも必要最小限の部品交換で対処可能でしたが、
EGRクーラーコアの損傷は、最悪の場合には
エンジンの重故障にいたる可能性もあります。
また、近年では、ターボチャージャーの電子制御化等の影響を受け、
部品単価は上昇の一途です。
EGRクーラーコアの損傷(パンク)によって、
思わぬ修繕費の増加につながることもあるため、
長期稼働している機械ではクーラーコアの定期交換をおすすめしています。
その他、EGRクーラーコアの空圧点検もお取り扱いしておりますので、
産業用エンジンのトラブル対応についてお困りの際には、
お気軽にお問い合わせ下さい。
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